鳴き砂について

鳴き砂って何?

真っ白い砂浜を歩くと、キュッ、キュッと美しい音を発する砂があります。これが「鳴き砂」と呼ばれるもので、外国ではミュージックサント、シンキングサントと呼ばれています。

「鳴き砂」は、上流の山にある花こう岩(御影石ともいう)が400万年以上という気の遠くなるような時間をかけて風化し、川を下って、海に流れ出る前に、花こう岩にある柔らかい長石や雲母が土に戻り、硬い石英だけが残って海に入ります。
それが波にもまれて次第に丸みを持った石英粒になって海岸に打ち上げられ、白い砂浜を作ります。

石英粒を多く含んだ砂(65%以上)に外から力を加えると、石英粒を含んだ砂同士が震動しあい、澄んだ美しい音を発生させます。

これが「鳴き砂」の歌声の正体です。

福島県の「鳴き砂」

福島県の地質はどうなってるの?

赤色に塗られたところが花こう岩です。

いわきの海岸に流れ込む夏井川などの上流域地質も花こう岩であり、いわき海岸に「鳴き砂」がある大きな要因です。全国鳴き砂マップを見ても、「鳴き砂」のある海岸に流れ込む川の上流域は花こう岩が多い地質になっています。

いわき市16海岸の「鳴き砂」を調査しました

東日本大震災によって、いわきの海岸でもかなりの地盤低下があり、砂浜が縮小しています。「鳴き砂」については、変化しない海岸もありますが、いくつかは鳴かなくなっています。

いわきの鳴き砂の特徴として粒が細かいのが挙げられます。