
福島県議会『県民の安全・安心対策特別委員会』が鳴き砂の活動を視察!
福島県議会「県民の安全・安心対策特別委員会」の皆様が、当会の活動を視察されました。当日は朝から雨模様となったため、豊間中央集会所で検鳴器を使い『鳴き音』を試していただき、会の活動内容のご説明と質疑を行いました。
県民の安全・安心対策特別委員会は、激甚化・頻発化する自然災害や身近な生活における不安の増大に対応し、防災・減災や生命・財産等の安全確保のための対策強化を図ることを目的として、令和7年12月23日に福島県議会に設置された特別委員会です。
今回は「地域住民による環境保全活動」をテーマに、当会の取組内容や実績、今後の展開についてお話しする機会をいただきました。
1.日 時:令和8年7月30日(木)9:30~10:30
2.場 所:豊間中央集会所
3.視察者:
・福島県議会県民の安全・安心対策特別委員会
山田平四郎委員長ほか委員11名
・議会事務局政務調査課 2名

1.鳴き砂を守る会の活動説明





当会は、平成8年に発足し、平成29年にNPO法人となり、今年で設立30年目を迎えます。現在の会員は一般会員・学生会員・企業の特別会員あわせて約40名で、福島高専の学生をはじめとする若い世代にも参加いただいています。活動の柱として、
次の3つをご紹介しました。
1)海岸清掃
豊間海岸を中心に年4回実施。企業や市民の皆様との合同清掃も行っています。回収したごみは分別し、プラスチックごみの割合を記録しています。
2)体験学習
学校への出前講座、いわき駅前での「いわきプラージュ」(鳴き砂・砂像・砂絵)、公民館での砂絵教室等。
3)16海岸調査
久之浜から勿来海岸まで市内16海岸を対象に、現地での鳴き砂判定、ふるい分け試験、顕微鏡観察、水質(COD)試験などを継続的に実施し、これまでに4冊の報告書にまとめています。
あわせて、鳴き砂そのものについてもご説明しました。いわきの鳴き砂は、阿武隈山地の花こう岩が風化し、夏井川や鮫川を経て海へ運ばれ、波に洗われて生まれたものです。粒径が0.13〜0.17mmと全国的にみても細かく、粒がよくそろっていることが特徴です。
一方、海岸ごみの50〜90%をプラスチックが占めていること、5mm以下のマイクロプラスチックは回収が難しいこと、また、地球温暖化による海面上昇が進めば福島県の砂浜そのものが失われかねないことなど、鳴き砂の浜が直面している課題についてもお伝えしました。
2.質疑・意見交換






委員の皆様からは、教育現場との連携、企業との協働、県の海岸保全事業との関わりなど、多くのご質問・ご意見をいただきました。主なやりとりは、
1)教育との連携について 小中学生の自由研究や高専生の研究テーマとして鳴き砂が取り上げられ、県のコンクールや環境活動発表会で入賞する成果も出ています。鳴き砂の学習は、STEAM教育の要素を備えた教材になることをご紹介しました。
2)上流地域とのつながりについて 砂の供給源である山と川の役割を学んでもらうため、上流の小野町の小学校でも出前講座を実施し、「水の循環」の視点を伝えています。
3)企業との連携について 現在8社に特別会員としてご参加いただいており、会社全体で海岸清掃に取り組んでいただいている企業もあります。今後もCSR活動が可能な企業を募っていきたいとお伝えしました。
4)地域資源としての活用について 鳴き砂・恐竜・石炭といったいわきの地域資源をつなぐ「ジオパーク構想」をいわき市に提案していることをご紹介しました。
5)県の海岸保全事業について 人工リーフや護岸ブロックなどの侵食対策が進められている一方で、環境保全や砂浜そのものを残す視点も計画に加えていただきたい、という要望をお伝えしました。
6)全国とのつながりについて 全国鳴砂ネットワークと連携し、いわき市を会場にして3回の全国サミットを開催しています。令和4年のサミットでは、震災からの鳴き砂の回復状況を全国に発信しました。

今回、県議会特別委員会の皆様に「地域住民による環境保全活動」をテーマに、当会の取組内容や実績、今後の展開についてお話しする機会をいただきました。
鳴き砂はきれいな砂浜にしか分布しないことから、鳴き砂は『海岸環境のバロメータ』といわれています。長い年月をかけて自然がつくり上げた、『いわきの鳴き砂』を、地域の宝として保存し、次世代に引き継いでいけるよう活動を継続していきます。
今回の視察が、県の施策の中で、環境保全や防災、教育の視点から、鳴き砂の浜を考えていただくきっかけになれば幸いです。
福島県議会県民の安全・安心対策特別委員会の皆様、県議会事務局の皆様、当会を視察に選んでいただき、暑い中お越しいただき、ありがとうございました。
